2023.04.21 お役立ち情報
〇治療用アプリ「評価の視点が難しい」と吐露 厚労省・森光氏 利用実態即した評価の在り方考えよ
MEジャーナル記事より
厚生労働省の森光敬子審議官は4月15日、日本医学放射線学会のシンポジウム「明日の保険診療を考える」で、24年度診療報酬改定で、プログラム医療機器(SaMD)の取り扱いが注目テーマになるとしたうえで、「最近登場した(治療用)アプリの評価については、正直に言って評価の視点が難しい」と発言。次期改定に向けた議論のポイントとして、「利用されている実態に沿った形で、どんな形で評価するのかを考えなければならない」との私見を述べた。
森光審議官は、保険局医療課長として、2020年度改定を取り仕切った経験を持つ医系技官。現在は、医療介護連携、データヘルス改革を担当する審議官として、診療報酬改定や医療DX、診療報酬改定DXなどを所管する。
◆負担軽減に貢献のSaMD「医療機器と“似かよった評価”で良い」
森光審議官は、注目が集まっているSaMDの評価の在り方について言及。医療の質の均てん化や、医療従事者の負担軽減につながるSaMDについては、「通常の医療機器と、ある程度似かよった形での評価で良いと思う」とした。
一方、患者のスマホなどにダウンロードして使う治療用アプリについては、「正直に言って評価の視点が難しい部分がある」と心情を吐露。一般的にアプリは、使用者の肌感覚、感性に合うものを使っているため、「日常的に使える形があるからこそ効果が出るものもある」と発言。医療機関から提供される“治療用アプリと患者との相性”という問題が浮上するとした。
医療保険の世界では、医療機関が患者にサービス提供する流れになるため、「医療機関がアプリ(会社)と契約し、患者にID、PWを渡す形になる」と説明。一般のアプリのように個人が自分に合ったアプリを試して、選択するということにはならない。森光審議官は、「そういうアプリの特性を損なわない部分を、保険の日常診療の中に入れる、日常の療養の中に入れていくのは大事な視点」と述べた。
そのうえで、評価の在り方としては、「そういうアプリの特性を理解したうえで、どう使うのか、誰が効果を上げると思って購入を決定するのか。そういうところまで、しっかりと考えておかないといけないと思っている。ここは保険制度での検討にあたって、プラスの視点だと思っている」と述べた。