2023.04.21 お役立ち情報
〇中医協の下部組織「SaMD評価」で業界ヒアリング実施 効率化・負担軽減への貢献「評価軸とするか中医協で議論」
MEジャーナル記事より
プログラム医療機器(SaMD)の評価の在り方を検討する中央社会保険医療協議会のワーキンググループは4月18日、ベンチャー系3団体からヒアリングした。SaMDの特性を踏まえた評価軸として、“業務の効率化”や“人件費削減”の視点を入れてはどうかとの業界提案に、厚生労働省保険局医療課医療技術評価推進室の中田勝巳室長は「診療報酬で(上乗せ)評価するかどうかは別」と整理し、中医協や材料部会で議論していくとした。来月の2度目の業界ヒアリングでの議論を踏まえ、事務局としてSaMDの評価の在り方を整理・提案していくことになる。
会合を開いたのは、保険医療材料等専門組織の下部組織として3月末に新設された「SaMD等専門WG」で、非公開で議論を進めている。7月をめどにWGとしての議論を整理し、親会議である中医協総会や材料部会などに報告することになる。同日は「AI医療機器協議会」「日本デジタルヘルス・アライアンス」「日本医療ベンチャー協会」から意見を聞いた。
同日のWGは、初会合でWGメンバーから示された「SaMD特有のコスト構造」や、「評価の予見性をどのように高めていくか」という疑問への、業界としての回答も含まる。まず、SaMD特有のコスト構造については、(1)販売後のデータ収集(2)周辺ソフトウェアのアップデート(3)利用者からの問い合わせ対応の3点が、他の医療機器と違うとの報告があった。評価の予見性向上については、評価軸と、準用技術料を明確化することや、技術料に対する加算の創設などを通じて、検討を進めていくべきとの回答だった。
ヒアリングでは業界から、医療従事者の業務の効率化について、「デジタルならではの評価を含めた検討をお願いしたい」と、3団体が歩調を合わせた。具体的には、画像診断支援プログラムの活用による、「読影時間の短縮による医師の人件費削減」という例示があり、診療報酬でのプラス評価を求める声をあげた。WGメンバーは、「それ自体が、SaMD導入のインセンティブで」と応じたという。
中田室長は、WGメンバーの受け止めについて、「SaMDが持っている機能そのものが、導入のインセンティブにつながるということで、そのまま診療報酬の評価とするのかは別の議論になり得るとの意見だった」と補足。事務局の考えとして、「これまでの診療報酬の整理では、施設基準の要件緩和という形で対応してきた。ここ(業務負担の軽減)の評価軸をどうするかというのは、WGの意見を踏まえ、部会や中医協で詰めていく話」とした。