2023.07.07 お役立ち情報
〇国立大病院 横手会長 老朽化の機器更新が「困難」と苦境を訴え 注目! 2022年度決算「経常利益率が2.5%」
全国42大学44附属病院長で構成する国立大学病院長会議は7月3日、2022年度決算(速報値)で、経常利益率が前年度比2.2ポイント減の2.5%(386億円)に縮小したと発表した。
利益率の低下傾向に歯止めがかからなければ、老朽化した医療機器の更新ができなくなるなどと苦境を訴え、「安全安心を支える医療のインフラが危機に瀕している。医療機器の購入・更新費も2%台の利益率でどうやって出していけばよいのか」と途方に暮れた。
◆コロナ補助金なければ「経常赤字2.3%」に転落
横手幸太郎会長は、22年度決算について、「コロナ補助金などの支援がなければ2.3%の経常赤字に転落していた」と明かし、23年度以降に、補助金などの廃止・縮小や、医師の働き方改革に伴う費用負担の増加、光熱費の高止まりなどが予想されるとし、「まさに事業継続の危機」と、国立大学病院の窮状を訴えた。
◆機器の価値残存率は約4分の1に
利益率の低下の影響をもろに受けるのは、老朽化した医療機器の更新だ。多くの医療機器が耐用年数を超過しており、価値の残存率は取得時のわずか23.6%となっているとして、「大学病院に求められる機能を維持するために、引き続きのご支援・ご理解をいただきい」と訴えた。
◆耐用年数10年超の老朽化機器が約900億円分相当
老朽化した製品を使用している実態として、耐用年数の2倍超使用している医療機器等は2945億円(取得金額)にのぼり、全体の32%を占めると紹介。さらに耐用年数からプラス10年以上経過した医療機器等は891億円(同)に達しているとして、「機器更新の先送りは限界の状況であり、安全に大学病院でしか提供できない高度先進医療の提供に支障が出つつある」と繰り返した。
MEジャーナル記事より