2023.09.15 お役立ち情報
〇“故障偽装”の島津メディカルに「厳重注意」措置 JIRA 親会社含めた理事2人の辞任届も受理
日本画像医療システム工業会(JIRA)は9月13日、島津メディカルシステムズが、医療機器にタイマーを仕掛けて故障を偽装し、必要のない部品交換を有償で行った「不適切行為」に対し、「薬機法違反が明確になった」として、親会社の島津製作所を含めて「厳重注意」措置を講じていることを明らかにした。JIRAは今月7日付で、両社役員が務めていた、理事2人からの辞任届を受理したこともあわせて公表した。
島津メディカルは2016年から18 年にかけて、熊本県内の5カ所の医療機関で、X線装置の保守点検の際に市販の外付けタイマーを取り付け、一定期間経過後に意図的にスタータエラーを起こさせることでX線の照射がされないよう故障を偽装。X線装置の部品の交換を有償で行う「不適切行為」に手を染めていた。
親会社の島津製作所が8月18日、熊本県から、島津メディカルが医療機器修理業に関する「業務改善命令」を受けたと公表したことを受け、JIRAは「薬機法違反が明確になった」として、今年3月に両社に科した「厳重注意」措置の公表に踏み切った。
JIRAは島津メディカルへの「厳重注意」措置の理由について、倫理綱領やコンプライアンス宣言への違反に加え、「企業の信頼性低下のみならず、当会が長年培ってきた保守点検事業活動にも社会的な疑念を抱かせかねない」と説明。親会社を連座で処分した理由として、「製造販売業として保守・点検に関わる責務が生ずると判断し得ること」を挙げた。
「不適切行為」に手を染めた島津メディカルの三浦嘉章代表取締役社長と、親会社の島津製作所の園木清人常務執行役員からは、「業務改善命令処分を重く受け止め、再発防止に専念するため、辞任したい」とJIRAに理事辞任届が提出され、7日付で受理された。
JIRAは今後、島津メディカルなどからの改善計画の報告を受け、法令遵守が徹底されるようにサポートするほか、全会員企業に法令違反が再発しないように注意喚起や、継続的にコンプライアンスの啓発に取り組む。
◆刑事事件で有罪判決の製薬企業 業界団体は「会員資格停止処分」
なお製薬業界では、三重大病院を担当する営業社員ら2人が「贈賄罪事件で有罪判決」を受けた小野薬品に対し、業界団体の日本製薬工業協会(製薬協)が「会員資格停止処分」を下したが、今年7月、再発防止などの体制が整ったとして「2年ぶり」に製薬協に復帰した。
MEジャーナル記事より