2023.09.22 お役立ち情報
〇医療機関経営状況調査-2023年度病院経営定期調査に基づく収支速報-
日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会の3団体がまとめた「医療機関経営状況調査」の結果速報が9月15日に公表された。3団体に加盟する全国の計4,445病院を対象に実施し、810病院から回答があった。経営状況は、2022年4~6月と2023年4~6月のデータが揃っている333病院分を集計した。
新型コロナウイルス関連の補助金の収入を除くと、全国の333病院の66.7%が2023年4~6月に経常収支ベースで赤字だった。赤字病院の割合は前年同期比で4.8ポイント上昇。3団体では、安定的な医療提供体制を確保するには、入院基本料の大幅な引き上げなど診療報酬による経営改善が必要だとしている。
1病院当たりの経常損益は8,525.1万円の赤字で、前年同期の6,980.2万円から赤字幅が拡大。2023年4~6月には、本業の医業収益が平均で2.0%増えたが、医業費用の伸び(平均2.8%)がそれを上回った。
医業費用の伸びの内訳は、平均で「研究研修費」16.4%、「電気料金」15.8%、「医薬品費」6.8%、「水道光熱費」8.0%の増加。
3団体では、赤字病院の割合が2022、2023年度共に6割を超え、補助金がなければ赤字経営がさらに拡大する危機的な状態が続いているとしている。