2023.10.27 お役立ち情報
〇老朽化機器「保守しないとの死刑宣告」まで使用継続 外保連・岩中会長 画像から治療機器など「例外なし」
外科系学会社会保険連合(外保連)の岩中督会長は10月23日に開いた記者懇談会で、病院経営が厳しさを増す中、老朽化が進む医療機器について、「CT、MRI、リニアックでも、例外なく修理できるうちは何でも使っている」と、買い替える余裕はないと説明した。そのうえで、「『もう保守しません』『部品がなくなるので来年で修理不能です』という企業からの“死刑宣告”を受け、ようやく買い替えている」と苦境を訴えた。
◆物価高騰などの苦境下で「3%のプラス改定」を
岩中会長は、自身が理事長を務める埼玉県立病院機構の4病院での「費用高騰と病院経営」の実情を報告した。光熱水費や人件費、食材などの高騰で、病院経営は厳しい状況に陥っているとし、次期診療報酬改定では3%のプラス改定でないと、経営は成り立たないと苦境を訴えた。
◆保守期間マックスまで「買い替えせず」
病院経営が厳しさを増す中、本来であれば買い替えなければならないCTやMRI、リニアックといった大型医療機器は、例外なくメーカーの指定する保守期間中は使い続けているとした。
岩中会長は、大型医療機器について、「だいたい耐用年数は6年で保守期間はその倍がマックスだ」と説明。5億円前後かかるリニアックを例に挙げ、「12年使ってようやく元が取れた程度なので、実際はもう少し使い続けたいが、そこで企業が『保守できない』と言ってくる。せいぜい延ばしても15年が限界」との実情を明らかにした。
病院決算の監査側からは、「減価償却が少なすぎる。買わないといけないものは購入しなさい」と“おしかり”を受けるそうだが、「お金がないので買えません」とやり取りしていることを明かした。
MEジャーナル記事より