2023.11.02 お役立ち情報
〇中央社会保険医療協議会 総会(第561回)
中医協「総会」が10月27日に開催され、2024年度の診療報酬改定に向けて医療機関の職員の処遇改善を巡る議論を始めた。
診療側委員は、医療機関が賃上げに対応し切れないために他産業への人材の流出が進み、人材確保が困難になっているとして「地域医療の存続に関わる」と強い危機感を表明した。 その上で、公定価格で運営されている医療機関が医療従事者の賃上げや確保に対応するための「十分な原資」の確保を強く求めた。
これに対し、支払側委員は、医療費の増加分を医療機関のマネジメントで賃金の低い職種に還元すべきだと主張。診療報酬で対応することに反対した。また、処遇改善に診療報酬で対応するとしても、患者負担等への配慮を求めた。
医療従事者の処遇改善を巡っては、「看護職員処遇改善評価料」が2022年10月に新設されたが、この診療報酬は看護職員(保健師・助産師・看護師・准看護師)のほか、看護補助者や理学療法士・作業療法士等が対象で、薬剤師などは含まれない。これに対し、厚労省は「医療機関等の職員の処遇改善」を2024年度の改定の論点に挙げた。
厚労省の調べでは、医師・歯科医師・薬剤師・看護師を除く「医療関係職種」(コメディカル)の給与(賞与込み)の平均は、少なくとも2012年以降は「全産業」の水準を下回っており、2022年には「全産業」が1カ月当たり36.1万円だったのに対し、「コメディカル」は32.7万円だった。