2023.12.15 お役立ち情報
〇中央社会保険医療協議会 総会(第572回)
中医協・総会が12月13日に開催され、「2024年度診療報酬改定の意見書」を取りまとめ、武見厚労大臣に提出した。診療報酬改定率については、「安易な診療報酬の引き上げを行う環境にない」とする支払側と、「従来以上の大幅なプラス改定が求められている」とする診療側の間で、意見が折り合わないことから両論併記。厚生労働相に対し、「予算編成に当たって、診療報酬改定に係る改定率の設定に関し適切な対応を求める」と明記するにとどめた。
改定率に対する考え方に乖離が大きいことから、公益委員が意見書案を取りまとめ、同日の総会に提出。支払側、診療側ともこれを受け入れた。
支払側は、医療経済実態調査結果から、「一般病院は新型コロナウイルス関連の補助金を含めれば1.4%の黒字、一般診療所も黒字が拡大している」と指摘し、「一般診療所を中心に医療機関・薬局の経営は堅調」とした。そのうえで、次期診療報酬改定について、「患者の負担増や保険料の上昇に直結する安易な診療報酬の引き上げを行う環境にはない」「真に有効でメリハリの効いた診療報酬改定が不可欠」と位置付けていた。
一方の診療側は、「食材料費、光熱費をはじめとする物価高騰という極めて異例の状況に対応できる改定でなければならず、従来以上の大幅なプラス改定が求められている」と譲らなかった。
また、認知症治療薬レカネマブ(商品名レケンビ)の薬価が示された。レケンビ点滴静注1回当たり200mgで45,777円、500mgで114,443円。体重50kgの患者が1年間で26回使用した場合1患者当たり年間約298万円となる見通し。 投与患者数はピーク時の2031年度に約3.2万人となり、年間の販売額が986億円に上ると予測されている。
併せてアミロイドPET撮影にかかる留意事項、保険適応上の留意事項、最適使用推進ガイドラインも審議の上、了承された。