2024.01.12 お役立ち情報
〇COVID-19診断の自動化を支援する胸部X線判読A
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のPCR検査には、時間とコストがかかり、偽陰性の可能性も課題となっている。また、診断を補助するCTやX線検査には人員の不足がエラーの一因となる。それらリソースの不足する地域のためにも、COVID-19を検出する自動化ツールの整備が待望されている。豪シドニー工科大学(UTS)の研究チームは、胸部X線を用い、COVID-19を98%以上の高い精度で迅速に検出するAIシステムを開発した。
Scientific Reportsに発表された同研究では、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)ベースのアルゴリズムを採用し、COVID-19、正常な肺、及び他の肺炎を正確に識別することを目指した。手法の改善により、新しいCustom-CNNモデルは、既存のAI診断モデルに対する優位性が確認され、98.19%の分類精度を達成している。
著者でUTSデータサイエンス研究所のGandomi教授は、「新しいAIシステムは、放射線科の人員が不足し、COVID-19の多発する国では特に有益だ。胸部X線は持ち運びやすく、広汎に利用でき、CTより放射線被曝が少ない。この技術は、診断で重要な役割を担う放射線科医に対し、正確で効率的な診断を支援できる」と述べた。
参照論文:
関連記事:
- 「NLPモデルによるメッセージ分類」がCOVID-19治療を強化
- 生成AIがCOVID-19治療薬の創出を加速させる
- GoShare Voice – AI音声アシスタントによるLong COVID患者支援
The Medical AI Times記事より