2024.02.15 お役立ち情報
〇2024年の米国における医療AI事情
米国の医療機器規制当局にあたる米食品医薬品局(FDA)は、既に692のAI製品を承認している。アルゴリズムは、患者のスケジューリングや緊急治療室における人員配置の決定、医師の時間節約に資する臨床診察の書き起こしや要約、また、放射線科医が種々の画像を読影することにも役立っている。
同領域に関する米国での投資もその規模を大きく維持している。ベンチャーキャピタルのRock Healthによると、金融機関は「AIを専門とするデジタルヘルス企業」に280億ドル近くを投資しているという。一方で、規制当局が頭を悩ませている問題の1つは、5年後も現在と同じ化学的性質を持つ医薬品とは異なり、「AIは時間とともに変化すること」にある。ホワイトハウスや複数の有力医療機関群が中心となり、透明性とプライバシーを確保するための規則を策定するなど、ガバナンスは形成されつつある。議会も医療AIに強い関心を寄せており、上院財政委員会は2月8日、ヘルスケアにおけるAIに関する公聴会を開催した。
規制や法整備に伴い、ロビー活動も活発化している。CNBCは、「2023年にAIのロビー活動を公開する組織数が185%急増した」としている。業界団体のTechNetは、AIの利点を視聴者に伝えるため、テレビ広告の購入を含む2500万ドルのイニシアチブを開始した。2024年も、AIは医療におけるホットトピックの1つであり続ける。
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The Medical AI Times記事より