2024.05.17 お役立ち情報
〇中央社会保険医療協議会・総会(第589回)
中医協・総会が5月15日に開催され、令和6年度診療報酬改定における答申書の「附帯意見」に関する事項の検討の進め方についての案が示された。
令和6年度診療報酬改定の答申書の「附帯意見」については 、調査検証や、検討を行う必要がある。それぞれの検討の場において、令和6年度診療報酬改定の影響の検証とともに、次期診療報酬改定に向けて、調査及び必要な検討に入ることとしてはどうかとしている。答申書附帯意見と主な検討の場について案が示された。附帯意見の主な項目として、以下の内容が挙げられている。
(全般的事項)
近年、診療報酬体系が複雑化していること及び医療 DX の推進において簡素化が求められていることを踏まえ、患者をはじめとする関係者にとって分かりやすい診療報酬体系となるよう検討すること。
(賃上げ全般)
看護職員、病院薬剤師その他の医療関係職種を対象とした賃上げに係る評価について、各医療機関における賃上げが適切に実施されているか、実態を適切に把握した上で、検証を行うこと。また、40歳未満の勤務医師及び勤務歯科医師並びに薬局の勤務薬剤師、事務職員や歯科技工所で従事する者等についても賃上げの実態を適切に把握した上で、検証を行うこと。
(医療DX)
令和6年12月2日から現行の健康保険証の発行が終了することを踏まえ、医療情報取得加算による適切な情報に基づく診療の評価の在り方について令和6年度早期より見直しの検討を行うとともに、医療 DX推進体制整備加算について、今後のマイナンバーカードの保険証利用の利用実態及びその活用状況を把握し、適切な要件設定に向けて検討を行うこと。加えて、医療 DX 推進体制整備加算について、電子処方箋の導入状況および電子カルテ共有サービスの整備状況を確認しつつ、評価の在り方について引き続き検討すること。
(働き方改革・人材確保)
医師の働き方改革の更なる推進を図る観点から、医療機関全体の取組に対する評価の在り方、タスクシフト・タスクシェアの進捗及び各医療従事者の負担の軽減、人材確保が困難である状況の中での看護補助者の定着等について、今回改定による影響の調査・検証を行うとともに、実効性のある取り組みに繋がる評価の在り方等について引き続き検討すること。
(入院医療)
新設された地域包括医療病棟において、高齢者の急性疾患の受け入れ状況、リハビリテーション・栄養管理・口腔管理などのアウトカムなどについて、幅広くデータに基づいた分析を行い、評価の在り方について検討すること。また、地域包括医療病棟の新設に伴い、10対1の急性期一般病棟については、その入院機能を明確にした上で、再編を含め評価の在り方を検討すること。
(医療技術の評価)
保険適用された医療技術に対する評価について、レジストリ等のリアルワールドデータの解析結果や関係学会等による臨床的位置付けを踏まえ、適切な再評価が継続的に行われるよう、医療技術の評価のプロセスも含め引き続き検討すること。
また、革新的な医療機器や検査等のイノベーションを含む先進的な医療技術について、迅速かつ安定的に患者へ供給・提供させる観点も踏まえ、有効性・安全性に係るエビデンスに基づく適切な評価の在り方を引き続き検討すること。
等、詳細な内容については「答申書付帯意見に関する事項の検討の進め方について(総-7)」を参照のこと。